【スペック】
メーカー:final
発売年:2022年
再生周波数帯域:不明
参考価格:36800円
形状:ワイヤレス
特記事項:8Kサウンド、AB級アンプ搭載、専用アプリで8K sound plusをオンにしてレビュー
【評価】
音質:79点 装着感:5 遮音性:3.0 音漏れ:4 デザイン:3.5 携帯性:3
オススメ度:3.0
【総評】
音の傾向はフラット~厳密に言えばやや中低音寄り。低音は柔らかめでしっかり沈み込む。特筆すべきはその質感。なんというか重く密度がある感じで、ワイヤレスでこの類の低音が楽しめるとは思わなかったので驚いた。中音は低音が多いソースでは分離せずにかぶってしまうが、基本的にはかなりクリアで滑らか。高音は良く出ているのだが、突き抜けるような感覚はない。どちらかというとやや天井を感じる音。解像度はこの価格のワイヤレスと考えてもかなり高い。音場は広い。全体的に少し音が遠く、1音1音を眺めるような感覚。音色は僅かにウォームで明るい音のように感じる。切れ・スピード感はイマイチ。全体的に鋭さの少ない音。音圧は普通。聞き疲れは少ない。
ワイヤレスイヤホンに求められる機能とはなんだろうか。まず携帯性。これは良くない。ヘッドホンよりは当然マシだが、ワイヤレスにしては本体もケースもかなり大きい。次にノイズキャンセリング機能。メーカーが「聞き疲れの少ない自然なノイズキャンセリング」を謳っているからか、これもかなり弱い。操作性はどうだろう。悪くはないがイマイチだ。直感的な操作が出来ず、説明書きを良く読む必要がある。色々書いたが、つまりガジェットとして他社のイヤホン達に大きく劣るのだ。肝心の音はどうだろうか。私は率直に言って好きだ。フラットで解像度が高く、音色はどこか懐かしいような温かい感じで「ワイヤレスっぽさ」をあまり感じさせない。だがそれはワイヤレスイヤホンとしてどうなのだろうか。個人的にワイヤレスイヤホンは外で使うものだから、疲れや騒音を跳ね返すような賑やかなドンシャリであるべきだと考えている。ze8000はそうではない。しかし、筆者はそんなze8000をかなり気に入っている。何故かというと、筆者はイヤホンを有線・無線関係なく「良い音を気軽に持ち運ぶための道具」として捉えているからだ。他社のワイヤレスと比べると使いにくいが、それでも有線イヤホンと比べるとかなり使いやすい。この音を気軽に持ち運べるのは嬉しい。…強力なノイズキャンセリング機能、高い操作性、力強いドンシャリなどを兼ね備えた普通に”良いワイヤレスイヤホン”が欲しいならaz80やair pods proを選ぶのが無難。だが、「便利さはあまり求めていない。とにかく高解像でフラットかつ高品位な音を場所を選ばずに楽しみたい」そんなマニアにはオススメ出来る。
☆ze8000の良いところ
・没入感の高い自然な音
・高い解像度
・「良い音」を気軽に持ち運べる
★ze8000の良くないところ
・ガジェットとしてイマイチ
・面白味の少ない音
【装着感】
極めて良好。耳に強く押し込むタイプではないから最初少し戸惑ったが、慣れると軽くてズレにくく何時間でも付けられる。
【その他】
遮音性は普通だが、アクティブノイズキャンセル機能がついてるわりには弱い。音漏れは多少ある。デザインは独特。高級感はあると思うが不思議な形。携帯性はワイヤレスイヤホンにしてはイマイチ。
後継機が発売された。より万人向けになったらしい。後継機はze8000 mk2。
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