【スペック】
メーカー:SONY
発売年:1989年
再生周波数帯域:5Hz~ 30Hz
参考価格:14900円
形状:密閉型
特記事項:モニターヘッドホン
【評価】
音質:77点 装着感:4 遮音性:2 音漏れ:5 デザイン:3.5 携帯性:3
オススメ度:0
【総評】
音の傾向は弱カマボコ~やや中高音寄り。低音は締まりに欠けるが、量感は普通。浅い低音がそこそこ出ているように感じる。中音は素晴らしい。何というか、原音をそのまま出すような感じ。高音はかなり出る。そして刺さる。解像度は中音域の解像度が値段以上に高くて他は水準以下…といった感じで総合的に見て価格なり。だが、発売された年を考えると中々驚くべき高さだと思う。音場は狭くて平面的。中々他のヘッドホンでも聞かないような音場。イヤーパッドが極端に薄いからだろうか。そのせいで音がかなり近く、音を見るには便利。音色は寒色系。切れ・スピード感はイマイチ。低域がぼやけた質だからだと思う。音圧はそれなり。聞き疲れはかなりある。
伝説のヘッドホン。発売されたのはもう30年以上前なのに、未だに制作の現場にはこのヘッドホンがあることもしばしば…。聞き取りやすく良質な中音、保守部品の完備、軽い装着感などが理由として挙げられると思う。日本の音楽制作で長く使われてきただけあり、「アーティストがこれを聞いて音楽を作ったからmdr-cd900stこそが究極の原音忠実ヘッドホン」というふうに神格化する人がいたり、「ペラペラの音のごみ」というふうに貶す人がいたり…様々なオーディオマニアの信仰と憎しみを引き受けてきた恐ろしいヘッドホン。個人的には中音域が良い古いヘッドホン、という印象だ。今回は、モノがモノだし購入のオススメはしない。気軽に手を出すと痛い目を見ると思う。この価格帯だとオーテクのath-m50xが万能でオススメ。だが、mdr-cd900stを購入して現代の音楽制作に思いを馳せるのも楽しいだろう。
☆mdr-cd900stの良いところ
・とにかく軽い(ケーブル含まず200g)
・良質な中音
・保守部品が多く、壊れても直しやすい
★mdr-cd900stの良くないところ
・狭い音場
・聞き疲れしやすい
【装着感】
非常に軽いが、ほぼオンイヤーで長時間使用すると耳が痛くなる。
【その他】
遮音性はあまりない。レコーディングに使うためだろうか。音漏れは殆どない。ここまで音漏れが少ないヘッドホンは手持ちでも数個しかない。デザインはthe headphoneといった感じ。普通。携帯性は普通。軽くて比較的小さいが、折りたためない。