【スペック】
メーカー:pioneer
発売年:1973年
再生周波数帯域:20Hz~ 20000Hz
参考価格:3000円
形状:密閉型
特記事項:70㎜コーン型ドライバー
【評価】
音質:62点 装着感:3 遮音性:2 音漏れ:3.5 デザイン:5 携帯性:3
オススメ度:4.5
【総評】
音の傾向はカマボコ。低音は弱く、深い低音は殆ど出ていない感じがする。ただ、曲が破綻しない程度には浅い低音は出ている。中音は良い。明瞭さと瑞々しさを感じる爽やかな質。高音はややキンキンした質感の割に頭打ち感もありあまり良くない。クリアさはそれなり。中音はかなり明瞭だが低音と高音はぼやける。音の鮮度(解像感)は微妙。膜を纏ったような感じ。管弦の表現は普通。弦楽器は上ずった感じではあるが艶やかで聞きごたえのある音。金管楽器は耳に痛い刺さるような音で、かつ音の広がりが無くバランスが悪い。解像度は値段なり。音場は中々広い。横に広く、窮屈さを感じにくい。大きめのハウジングの恩恵だろうか。音色は寒色系。切れ・スピード感は微妙。音圧は普通。聞き疲れはしやすい。
pioneerのエントリークラスのレトロヘッドホン。私は1970年台に製造されたヘッドホンは大抵音が良いという持論を持っているのだが、本機se-205も例にもれず中々良い。大きめのハウジングから展開される余裕のある音場と明瞭で爽やかなボーカルで、popsを聴くための3000円のヘッドホンとしてならば現代でも通用するだろう。ただ、ぼやけた弱い低音とキンつく高音からは古臭さを感じる。そういった意味ではとてもレトロヘッドホンらしい音ともいえる。安価に70㎜コーンドライバーを体験してみたい人はこのヘッドホンを狙ってみると良いかもしれない。
☆se-205の良いところ
・中音は良い
・値段なりの基本性能
・高いビルドクオリティ
・広めの音場
★se-205の良くないところ
・古臭い音作り
・リケーブル不可
・やたらと聞き疲れする
【装着感】
とにかく重い。金属部品が採用されている上にpioneerにありがちな丸く膨らんだハウジング。重くなるのも納得だ。
【その他】
遮音性はあまり良くない。音漏れはそれなりにする。デザインはよい。定価3000円でここまでしっかり作られたヘッドホンは中々見ない。サイズ的に携帯が不可能な訳では無いが、あまり向いていないだろう。