【スペック】
メーカー:audio-technica
発売年:1994年
再生周波数帯域:不明
参考価格:33000円
形状:密閉型
特記事項:アートモニターシリーズ初代
【評価】
音質:86点 装着感:3.5 遮音性:4 音漏れ:4.5 デザイン:2 携帯性:1.5
オススメ度:5
【総評】
音の傾向は非常にフラット。低音はそこまで深く沈み込むわけでは無いが、適度に沈み、適度に弾む。この弾むような低音はオーテクの癖といえると思う。中音はクリアだが艶や滑らかさといったものも持ち合わせておりドライでない。高音には僅かにチタンの響き(癖)を感じるが、それ以外は非常に自然で伸びやか。解像度は値段なり。音場は狭くも広くもない。ただ音がそこにあるといった感じ。音色はニュートラル。厳密に言えばやや寒色系だが、音が全体的に柔らかく冷たさを感じない。切れ・スピード感は中々。原音の良さを引き出している感じ。音圧は普通。聞き疲れはしにくい。
オーディオテクニカには本機を原点として30年以上発売し続けられている「アートモニターシリーズ」というものがある。”すべての帯域を鳴らし切り、正確な音を再現する”との謳い文句で売られている。現行のアートモニターシリーズは確かに音は良いのだが、金属のハウジングを使った音色の美しさを重視しているように思える。その点ath-a10はとにかく原音忠実で、意識しなければ”ヘッドホンの音”はほとんど気にならない。いわゆる「ヘッドホンが消える」ような音。ここまでニュートラルでフラットな音のヘッドホンは少なくとも手持ちには他にないので、それだけで個性になっている。原音忠実性、という言葉を筆者はあまり使わないのだが、それでもその言葉を使いたくなるだけの魅力を本機から感じる。とにかく原音忠実性が高いヘッドホンが欲しい人にオススメ。
☆ath-a10の良いところ
・原音忠実性が非常に高い
・わかりやすい音
・古さを感じさせない音
★ath-a10の良くないところ
・装着感が微妙
・ヘッドホンに個性のある音を求める人には向かない。
【装着感】
けして悪くはないのだが、音の癖が少ない分装着感に意識が行く。具体的には側圧が強くやや重い。
【その他】
遮音性は密閉型ヘッドホンの中でも良い方。音漏れは少ない。デザインは微妙。3万円ならもう少し高級感が欲しい。携帯には向かない。
廃盤。後継機は色々あるがアートモニターシリーズの現代のフラッグシップはath-2000z。
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