【スペック】
メーカー:FOSTEX
発売年:2016年
再生周波数帯域:5Hz~ 45000Hz
参考価格:100,800円
形状:密閉型
特記事項:ウッドハウジング(黒胡桃)、モニターヘッドホン、テスラドライバ
【評価】
音質:92点 装着感:4 遮音性:4 音漏れ:3.5 デザイン:5 携帯性:2
オススメ度:5
【総評】
音の傾向はフラット。量感たっぷりなのに良く引き締まった低音。これだけ量感があると多少なりともぼわつくヘッドホンが多いのだが、綺麗で透明感のある低音が出ており1テスラの磁束密度の恩恵を感じる。その反面、沈み込みはやや浅いか。中音は低音の量に全く負けずクリアに出ている。DDらしい艶やかな音で、ボーカルの表現が美しい。距離感は遠くも近くもない、他の音と並べられているような印象。高音は非常に丁寧。細やかな粒感を感じるが、刺さりや暴れが無く聞きやすい。解像度は非常に高く、同価格帯と比べても有利な点だと思う。音場は密閉型ということを考えると非常に広いが箱庭的に感じるというか、開放感のある音ではない。音楽を俯瞰的に眺めてる感じ。音色はフラット~厳密に言えばややウォーム。切れ・スピード感は素晴らしい。流石モニターヘッドホンといったところ。音圧はやや強め。聞き疲れは少なめ。
高い基本性能と癖の少ないチューニングを両立させた名機。解像度は高いのだが、音源の粗を暴くようなタイプの音ではないため完成された楽曲を確認するリファレンスモニターヘッドホンとしての使用が良いと思う。また、どんな曲でも高いレベルで楽しめるためリスニング目的の購入もオススメ。これからオーディオを進めていくための心強い羅針盤になってくれると思う。良いことばかり書いたが、弱点も幾つか存在する。まず、分かりやすく密閉型ヘッドホンの音なので抜けの良さ、開放感を求める人は他のヘッドホンを検討した方が良いと思う。また、リケーブル端子が少し特殊でなのでリケーブルが好きな人は事前に良く調べてから購入するのが良いと思う。
☆th610の良いところ
・高い解像度
・美しい外観
・全体的に透明感のある音
・バランスの良い音
・鳴らしやすい(DAP直挿しでも良い音)
・残響音が確認しやすい
★th610の良くないところ
・持ち運び用には向かない
・高価
・リケーブルがやや特殊
【装着感】
それなり。ヘッドバンドが広く頭が痛くなりにくいしイヤーパッドも大きくて耳が痛くならないが、長時間つけていると重さが気になる。
【その他】
遮音性はそこそこ優秀。音漏れは密閉型にしては多めだが、開放型よりかは圧倒的に少ない。黒胡桃が美しく、かつ派手な装飾が無いので実用的で優秀なデザイン。携帯性は良くない。本体が大きいし、運ぶ時にヘッドバンドが傷付きやすい。
廃盤。後継機は不明。上位機種はth900。
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