【スペック】
メーカー:SHURE
発売年:2012年
再生周波数帯域:21Hz~ 17500Hz
参考価格:9873円
形状:カナル型、イヤーピースはEtymoticの2段フランジ
特記事項:細軸
【評価】
音質:67点 装着感:5 遮音性:5 音漏れ:5 デザイン:5 携帯性:5
オススメ度:4
【総評】
音の傾向はフラット。低音は厚みがあり、迫力を感じる。締まりはあまりない。中音は低音とほぼ同量。薄い膜を被ったような質感で、温かみを感じる音。その割に低音と被ることはなく、むしろハッキリと出てくる。高音は天井を感じるような音。煌めきもあまり感じないし抜けが良くない。解像度は価格なり。同価格帯のイヤホンと比べても悪くないが、地味な音作りのため解像度が低く感じる人もいると思う。音場は狭い。全て頭内に収まる感じ。音色は地味。切れ・スピード感は意外と良い。レスポンスが良い感じ。音圧はそこそこ。聞き疲れは少ない。
このイヤホンは10年以上売られているが、高級イヤホンの入り口としての役割は今でも大きいと思う。個々の音はの質は値段を考えると低いかもしれない。例えば近い価格帯のイヤホンで言うと、QDC SUPERIORの方が質の良い低音を出せるし、SENNHEISER IE100PROの方がクリアな中高音が出る。
しかし…総合力を考えるとSE215はこれらの優秀なイヤモニと同格だと思う。まずは遮音性。SHUREのSEシリーズは共通して遮音性が高く、カスタムIEMを超える遮音性がある。次に装着感。小型で平たく、耳にしっかりフィットする。最後に音質。全体的に無難で地味な音だが、高音がシャリついたり低音がボンボンしたり…そういった違和感のある音が出ない。全ての帯域の音が落ち着いていて、上品で高級感のある音がする。ひとつひとつの音を見るとパッとしないが、全体をまとめて音楽として聴くと実にスムーズで温かみのある心地よい音が楽しめる。
このイヤホンは割と賛否が分かれるが、それはこの価格のイヤホンに何を求めているか、という問題だと思う。派手で楽しい音が欲しいならより安価な中華イヤホンなどもアリだと思うし、よりクリアであっさりした音が欲しいならIE100PROが良いと思う。自分はこの価格のイヤホンには「普段使いでの気軽さ」「装着感」「良い音」を求めていた。SE215SPEはその全てを満たしている。1万円で購入できるイヤホンとして、かなり高い完成度だと思う。ただまあライバルが多い価格ではあるので色々試聴してから決めることが大事。個人的にはオススメ。
☆SE215SPEの良いところ
・バランスの良い温和な音
・装着感
・遮音性
・完成度が高い
★SE215SPEの良くないところ
・クリアさに欠ける
・イヤーピースによっては篭る
・SHURE掛けが最初は大変
【装着感】
非常に良好。薄い樹脂製の筐体がすっぽりと耳に収まり、いつまでも違和感無く音楽を聴くことができる。
【その他】
遮音性は素晴らしい。etymoticの製品に次いで良いと思う。何なら動きながら使うときにはSE215SE215SPEの方が良いと思う。音漏れは少ない。デザインはSEシリーズ共通。カッコよさと実用性を兼ね備えた優れたものだと思う。携帯性は良好。付属のポーチにコンパクトに収まる。
イヤーピースはEtymoticの2段フランジを使用した。SE215SPEは篭るとの評判をよく聞くが、これを着けるとバランスがかなり良くなるのでぜひ試してみて欲しい。
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