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SENNHEISER HD800のレビュー

 

【スペック】

メーカー:SENNHEISER

発売年:2009年

再生周波数帯域:6㎐~51000Hz

参考価格:170,100円
形状:開放型

特記事項:ハンドメイド

【評価】

音質:97点 装着感:5 遮音性:1 音漏れ:1 デザイン:5 携帯性:1

オススメ度:5

【総評】
音の傾向はフラット。低音は大型振動版(56mm)らしい分厚く実在感のある重い低域。中音は手持ちの30台以上のヘッドホンの中で最もクリア。それでいてゼンハイザーらしい温かみを感じる音だとも思う。高音は繊細かつ量感のある伸びやかなもので、非常に良い。解像度は手持ちで一番高い。他のヘッドホンでは聞こえないような音がしばしば聞こえる。音場は最高に広い。おそらく手持ちに限らず全ヘッドホンのなかで最も広い。横だけ縦にも上にも広がる。その上定位が抜群に良いため音が乱雑にならない。音色はフラット。切れ・スピード感は最高レベル。音圧は普通。聞き疲れは少ない。

 ゼンハイザーがパーフェクトを目指してつくったヘッドホンだけあって完成度が高い。全ての音に隙が無く、解像度が高く情報量が多いのだが、桁外れに広い音場と相まってほかには無い独特の音となっている。解像度が高いとはいえどモニターヘッドホンのような乾いた音ではないため退屈さが少ない。クラシックはもちろん、ポップスや打込みのような現代的な音源もなんでも余裕を持って鳴らしてくれる。dap直刺しでもある程度良い音で鳴ってくれる。弱点らしい弱点が無い。一般的には音の遠さ…とくにポップスを聞くときにボーカルが遠いことが弱点といわれているようだが、個人的には遠すぎず近すぎず良い。人によってはヘッドホン沼をこれでゴールしてもおかしくない一品だと思う。

☆HD800の良いところ

・厚みと締まりをした沈み込む低音

・真っ直ぐでひたすらクリアな中音、やや温かみのあるボーカル

・煌びやかに広がる高音

・最高に広く、立体感のある音場

・およそ殆どのジャンルに合う万能性

★HD800の良くないところ

・音漏れが大きい

・結構鳴らしにくい(音量は取りやすい部類だしdap直刺しでもそれなりの音で鳴るけど、アンプを噛ませるとかなり音質が変わる)

・携帯には全く向かない

・リケーブルが特殊

【装着感】

 特殊。ハウジングがとても大きく、耳に当たらない。人によっては重さや側圧の緩さが気になる人がいるかもしれないが、個人的には素晴らしい装着感


【その他】

 遮音性は殆どないし、音もれはgradoより多い。デザインは奇抜だが、ただならぬ存在感と高級感があると思う。携帯性は悪い。あまりにも大きく、折り畳み機構も一切無い。家で腰を据えて聞くヘッドホン。

 廃盤。後継機はHD800s。中低音の厚みが増したモデルらしい。また、派生形として密閉型のHD820もある。

hd800s:https://amzn.to/3wGVHCS

hd820:https://amzn.to/4bZdeGt

かつてのヘッドホンの王。威厳のある見た目です