seven_headphoneのブログ

ヘッドホンはお好きですか

ホシデン ルンルン(DH-27-M)のレビュー

【スペック】

メーカー:ホシデン(SATOREX)

発売年:1960年代

再生周波数帯域:不明

参考価格:1000円前後?
形状:開放型オンイヤー

特記事項:レトロヘッドホン、モノラル

【評価】

音質:11点 装着感:1 遮音性:1 音漏れ:1 デザイン:4 携帯性:3.5

オススメ度:1

【総評】
 音の傾向はカマボコ。低音は量感が弱いのは勿論、ポコポコと弱弱しい音がする。中音は独特。鋭く上ずったような音で、脳内に張り付く感覚。高音は良くない。伸びないし、ピークを感じて鋭く刺さる。解像度は物凄く低い。恐らく全ヘッドホンワーストクラスだと思う。音場は独特。中音域が前面に出て、それ以外の音はボヤっと弱く滲む。音色はよく分からない。おそらく寒色系。切れ・スピード感はイマイチ。というより全く感じない。音圧は弱め。聞き疲れはかなりしやすい。

 ホシデン(現SATOREX)の古いヘッドホン。おそらくsennheiserのhd414が元と思われるデザインで、見た目はかなりハイソ。でも…肝心の音質はとても悪い。本当に一応音が鳴るといった感じで、百均のイヤホンより音質が良くない。コレクションとして記念に持っておくのはありだと思う。個人的な事情を書くと、手持ちの60を超えるヘッドホンの中でも1番低い音質で、ある種のベンチマークとなっている。

☆ルンルンの良いところ

・ハイソなデザイン

・音楽が成り立つ

★ルンルンの良くないところ

・全体的に低い音質

【装着感】

 悪い。とにかく側圧が強い。hd25より強い。耳が痛くなる。

【その他】

 遮音性は無く、音漏れは多い。デザインは時代を考えるとかなりオシャレだと思う。携帯性はそこそこ。

ルンルン!

 

beyerdynamic T1 2ndのレビュー

【スペック】

メーカー:beyerdynamic

発売年:2015年

再生周波数帯域:5Hz~ 50000Hz

参考価格:118,015円
形状:半開放型

特記事項:テスラドライバー、フラッグシップ、made in german

【評価】

音質:94点 装着感:4.5 遮音性:2 音漏れ:2 デザイン:5 携帯性:3

オススメ度:5

【総評】
 音の傾向は非常にフラット。低音は密度が高く、深く重い音が凄まじい精度とキレで鳴る素晴らしいもの。中音はクリアだが透明感は無い。むしろややスモーキーな感じで、艶と色気を感じる音。だが、過剰な色付けではなく楽しく自然に聞ける程度。高音は鋭く真っ直ぐ一直線に伸びる痛快な質。線が太く刺さりは無い。解像度は非常に高い。価格を考えても高い方だと思う。音場はとても広い。縦横の広さは勿論、奥行きがかなりある。音色はウォーム。切れ・スピード感は素晴らしい。音圧は強め。聞き疲れのしやすさは普通。

 Beyerdynamicのかつてのフラッグシップ。圧倒的な音の重みと基本性能の高さで一聴して凄みが分かる良いヘッドホン。音場感が独特で、やや前面に様々な音が定位し、強烈な実在感と迫力を伴って降り注ぐ感覚。…唐突だが、「ハイエンド」とはなんなのだろう?個人によって様々な解釈があるが、私は以前どこかのブログで見かけた”ハイエンドとは理想の追求と実現”という意見を採用したい。勿論それはヘッドホン単体で叶うものでは無いとは思うが、それでもこのT1 2ndはある程度の(16Ω/1000mw以上?)の駆動力を有する上流に繋げると上記のように並大抵のヘッドホンでは実現しない、一層現実的ですらないある種の幻想・理想のような音のように感じる。弱点も当然あり、透明感の少ない色付けの強い音・高いとは言っても2024年現在のトップクラスのヘッドホンには届かない基本性能などはハイエンドと考えると残念かもしれない。しかし、値段を考えると現在でも通用するかなり優秀なヘッドホンといえよう。重厚な音が好きな人、beyerの本気を見たい人、比較的安価に「凄い音」を体験したい人にオススメ。

☆T1 2ndの良いところ

・凄みのある音

・実在感のある音

・広く立体的な音場感

★T1 2ndの良くないところ

・透明感のない音

・駆動力の低い機器と繋げるとぼやける

【装着感】

 beyerらしくかなり良いが、重い。
【その他】

 遮音性・音漏れの多さともに半開放型として普通。デザインは良い。緻密に編み込まれた金属メッシュがカッコイイ。携帯性は普通。携帯しても外で使うのには様々な意味で向いていないと思う。

 廃盤。現行のテスラドライバ搭載機種はdt1990proなど。

dt1990pro:https://amzn.to/3TS7juM

魂を揺さぶる音です

 

hiby r5gen2のレビュー


【スペック】

メーカー:hiby

発売年:2022年

参考価格:66000円
形状:デジタルオーディオプレーヤー(DAP)

特記事項:最大35時間連続再生、A級アンプ回路搭載、ESS DAC

オススメ度:4.5

☆r5gen2の良いところ

・スタミナ…バッテリー持ちは素晴らしい。エコノミーモードでの連続35時間再生というのはandroid搭載DAPの中だと現在でも最高レベルだ。実際、DAPを長時間使用する筆者でも数日に一度の充電で済んでいる。

・音質…癖の少ない滑らかでサラサラした音。接続する機器を選ばない。物足りなく感じたらA級アンプモードにすると良いだろう。

・出力…イヤホンは勿論、大抵のヘッドホンもアンバランス接続で鳴らすことが出来る。具体的に機種名を挙げると、T60RP・k340等の鳴らしづらいヘッドホンも鳴らせる。staxとse-700は鳴らせなかったが、この価格帯のDAPにそれを求めるのも酷というものだろう。

・バランス接続…2.5mm、4.4mm両方の端子を搭載している。便利。

・A級アンプモード…r5gen2はクラスA級アンプ回路を搭載しており、オンオフを自由に切り替えることが出来る。オンにすると音の厚みと解像度と立体感が増し価格帯を超えた表現を見せてくれるが、そのかわりバッテリーの消費が激しくなる(アンバランスで10時間)

・滑らかな動作。搭載している機能は色々古いはずなのだが、カクつかず滑らかに動く。

★r5gen2の良くないところ

・端末スペック…android8.1、snapdragon425、RAM2.0GB。ガジェットとして考えると化石のようなスペックだ。実際、たまにアプリがクラッシュする。

・容量…本体の容量は僅か16GB。ほとんどアプリが入らない。

【総評】

 音楽再生機としては様々な面からとても便利な機種。スマホと似た直感的な操作が出来、かつこれだけバッテリーが持つDAPは唯一無二だと思う。動作と音質に不満を感じたら、上位機種のr6Ⅲに行くとサクサクかつ容量も64GBとそこそこあり、不満を感じずに楽しむことができると思う。ただ、連続再生時間は最長15時間でr5gen2の半分以下。そこは割り切りが必要だろう。もしくは本機と使い分けるのもアリかもしれない。

r5gen2:https://amzn.to/449qpkR

r6Ⅲ:https://amzn.to/4cTuEEM

とにかくバッテリー持ちが良いです

 

ASHIDAVOX ST-90-05のレビュー


【スペック】

メーカー:ASHIDAVOX

発売年:2020年

再生周波数帯域:5Hz~40000 Hz

参考価格:6600円
形状:密閉型オンイヤー

特記事項:テスラドライバー、レトロヘッドホンの焼き直し

【評価】

音質:56点 装着感:3.5 遮音性:3.5 音漏れ:3.5 デザイン:4.0 携帯性:4.5

オススメ度:3.5

【総評】
 音の傾向は低音寄りのドンシャリ。低音は量感が多めだが、浅い。締まりはあまり無く、むしろ柔らかく広がる感じ。中音はそんな低音が被ってやや奥に引っ込んで聞こえる。また、かさついて曇った質感。高音は金属的でカチャカチャした質感。抜けはあまり良くない。全体的に線が太い音。解像度は値段を考えるとやや不満。音場は狭い。完全に頭内に音が収まる感じ。音色はウォーム。切れ・スピード感は悪くない。低音が軽いおかげでもたつかない。音圧はやや強め。聞き疲れは普通。

 低音、中音、高音…各要素だけに注目するとイマイチだが、全て合わさると意外と纏まりのある音になっている。また、テスラドライバーの恩恵なのか線が太い音でそれなりに濃い音を楽しめる。…音だけで考えると、同価格帯にはaurvana live!やk240などのより良いライバルがいる。しかしst-90-05には強い武器がある。それは品質の高さだ。ハウジングにケーブル、ヘッドバンドの素材に至るまで全てが壊れにくく丈夫な素材で出来ている。音や装着感にあまりこだわりが無く、とにかく長く使いたい!という人にとっては数十年に渡って付き合える心強い相棒となるだろう。

☆ST-90-05の良いところ

・頑丈

・極めて鳴らしやすい(baイヤホン並)

★ST-90-05の良くないところ

・曇った音

・典型的なオンイヤーの音

【装着感】

 それなり。軽いが、オンイヤーで長時間つけると耳が痛くなる。
【その他】

 遮音性・音漏れの少なさともにそこそこ。デザインは中々。高級感は無いが、つくりの良さは一万円以下のヘッドホンだとトップクラスだと思う。携帯性はかなり良い。コンパクトで頑丈。

st-90-05:https://amzn.to/4aJXjKM

良いヘッドホンとはなにか考えさせられました

 

SONY MDR-V202のレビュー


【スペック】

メーカー:SONY

発売年:1988年

再生周波数帯域:8Hz~25000 Hz

参考価格:4400円
形状:半開放型オンイヤー

特記事項:デジタルモニター

【評価】

音質:73点 装着感:3.5 遮音性:2 音漏れ:3 デザイン:4.5 携帯性:1

オススメ度:5

【総評】
 音の傾向は弱ドンシャリ。低音は柔らかく広がる感じ。重低音は出ないが、そうすることで篭り感が減っている。中音はクリアなのだが、サラサラと粒立つような質感で透明感は感じない。その分聴きごたえがある。高音は柔らかくフワッと伸びる優しい音。刺さりは少ない。解像度は値段を考えると中々高い。かといってモニター的なシビアな細かさでは無く、自然な音。音場は狭い。全ての音が近くで聞こえる。音色はニュートラル。切れ・スピード感は普通。良くも悪くもない。音圧は弱め。聞き疲れは少ない。

 小型で半開放型でオンイヤーのモニター…という中々見かけない形状のヘッドホン。デジタルモニターという称号を与えられているが味付けが強く、柔らかく楽しい音のリスニング向きなヘッドホン。クラシックは音場感が、打ち込み系は低音の質感が合わないことが多いが、それ以外は大抵このヘッドホンの独特の雰囲気がマッチして楽しく聞けると思う。なんにせよ鳴らしやすい上値段の割に良い音で、万人に薦められる。

☆mdr‐v202の良いところ

・柔らかく楽しい音

・音源を選ばない

★mdr-v202の良くないところ

・モニターの割に味付けが強い

【装着感】

 悪くないが、オンイヤーなので長時間つけると段々痛くなってくる。
【その他】

 遮音性は最低限。音漏れは半開放型と考えると少ないがある。デザインは良い。キリリとした感じ。携帯性は悪い。ケーブルが長すぎる(5m!)

 廃盤。現行のSONYのモニターヘッドホンは色々あるが、有名なのはmdr-cd900stか。

 mdr-cd900st:https://amzn.to/3J5PseF

無難に良い音を出してくれます

 

hifiman anandaのレビュー

【スペック】

メーカー:hifiman

発売年:2018年

再生周波数帯域:8Hz~55000 Hz

参考価格:77000円
形状:完全開放型

特記事項:平面駆動、ステルスマグネット

【評価】

音質:91点 装着感:4.5 遮音性:1 音漏れ:1 デザイン:4 携帯性:1

オススメ度:5

【総評】
 音の傾向はフラット。低音はタイトだが量感がしっかりあり、曲全体を支える土台となっている。またかなり深い低音まで出る。中音は独特。非常にクリアで鮮やかな質感だが、その反面ややざらついた音。高音は量が多く、良く伸びる。刺さりは多少ある。解像度は値段以上。10万円以下でトップクラスの解像度だと思う。音場は非常に広く、また奥行も感じる。音色は寒色系。切れ・スピード感は素晴らしい。曇りやモタツキの一切無い鋭い低音が弾ける。音圧はやや強め。聞き疲れは普通。

 非常に爽快で元気な音のヘッドホン。hifimanのかつてのフラッグシップ、he1000の廉価版であるedition x…の後継機。フラッグシップの技術を利用しているだけあり、高い解像度と鮮やかで味わい深い音を楽しめる。全体的に音質面での弱点が少ない優秀なヘッドホンだが、もちろんこのヘッドホンも完璧というわけでは無い。このヘッドホンに足りないのは音の余裕だと思う。なんというかanadaは自分の持つ全ての力を使い切って全力で鮮やかな音を出そうとしている感じがする。より上の価格帯のヘッドホンでは基本性能の高さ・音場の広さに加えてなんらかの凄みがあるのだが、anandaからはあまり感じ取れない。基本性能をとにかく重視し、分かりやすく良い音が欲しいなら本機は非常にオススメ。中華オーディオ製品らしく合理的な音で、コストパフォーマンスも高いと思う。しかし、ハイエンドな音を求めるなら他のヘッドホンを色々探してみるのも楽しいと思う。

☆anandaの良いところ

・全体的に隙の無い良い音

・広い音場

・高い解像度

★anadaの良くないところ

・余裕のない音

・自然さに欠ける

【装着感】

 良好。深く大きなイヤーパッド、幅広のヘッドバンドで人を選ばないと思う。少し重いので減点。
【その他】

 遮音性は無い。音漏れはanadaをスピーカーとして運用出来るのではないかと思うほどには激しい。デザインはhifimanの幾つかの製品と共通のもの。携帯性は無い。

ananda:https://amzn.to/4aC5YyT

hifimanの中堅機です

 

Dunu-topsound dn-2002のレビュー


【スペック】

メーカー:Dunu

発売年:2016年

再生周波数帯域:10Hz~ 40000Hz

参考価格:50723円
形状:カナル型

特記事項:ハイブリッド型(2dd+2ba)、フラッグシップ

【評価】

音質:80点 装着感:4.5 遮音性:2.5 音漏れ:4.0 デザイン:4.5 携帯性:3.5

オススメ度:5

【総評】
 音の傾向は低音寄りの弱ドンシャリ。低音は柔らかくしっとりとした質。かなり深くまで沈み込む。締まってはいないが、分離が良くぼやけた感じはしない。中音は生々しく温かな質感で良いが、低音の多いソースではやや奥に引っ込んで聞こえる。高音はカッチリした質感。輪郭を持った繊細な高音が丁寧に鳴る感じ。抜け感はあまりない。刺さりもない。解像度は値段なり。低価格帯とは一味違う高い分解能を持っている。音場はやや広め。フワッと広がる感じで窮屈さを感じさせない。音色はウォームで明るめ。完全にリスニング目的に振り切ったチューニングのように感じる。切れ・スピード感は普通。音圧は弱め。聞き疲れは少ない。

 dunuのかつてのフラッグシップイヤホン。上品な美音系の音。ここまでリスニング用に振り切ったチューニングと高い基本性能を両立したイヤホンはそれなりに珍しい気がする。爽快で抜けが良い音を求める人にはオススメできない(そういった人にはkineraのイヤホンがオススメ)が、音楽にしっぽりと浸りたい、イヤホンで丁寧な音楽鑑賞をしたいという人にはとてもオススメ。

☆dn-2002の良いところ

・温和で滑らかな音

・価格に見合った高音質

・弱点の少ない音作り

★dn-2002の良くないところ

・奥まったmmcx(リケーブルの選択肢が非常に少ない)

・ライバルが多い価格帯

・爽快感の少ない音

【装着感】

 良好。耳掛け・耳垂らし両方に対応した形状で便利。
【その他】

 遮音性はあまり良くない。音漏れは少しある程度。デザインは良い。シンプルながらクオリティの高いもの。携帯性はそれなり。ケーブルの取り回しが良くない。

 廃盤。後継機は色々あるが、現在売っているのはsa6mk2。

sa6mk2:https://amzn.to/3PLvlq1

ゆったりとした良い音です