seven_headphoneのブログ

ヘッドホンはお好きですか

AKG k340のレビュー

【スペック】

メーカー:AKG

発売年:1979年

再生周波数帯域:16Hz~ 25000Hz

参考価格:39800円
形状:半開放型

特記事項:ハイブリッド型(低音:ダイナミック 高音:エレクトレットコンデンサー)、レトロヘッドホン

【評価】

音質:83点 装着感:4 遮音性:2 音漏れ:3 デザイン:5 携帯性:1

オススメ度:4.5

【総評】
 音の傾向は中高音寄り。低音の量は必要最低限。不足は感じない。あまり深い音は出ないが良く締まっている。中音は薄い膜が張っているような質感だが、明るい音で前面に出てくる感じ。高音は素晴らしい。静電型らしい艶のあるキラキラした上品な高音がどこまでも伸びていく感じ。刺さりは少ない。解像度は中々高いが値段を考えるとやや不満か。低音の解像度がいまいち。音場はかなり広い。やや前方にフワッと音が広がる感じ。音色は寒色系。切れ・スピード感は中々。滑らかで軽快な音が鳴る。音圧は普通。聞き疲れの多さも普通。

 静電型ツイーターとDDの組み合わせという現代では中々珍しいドライバー構成のヘッドホン。静電型は本来専用アンプが必要なのだが、k340はエレクトレット型という形式のものを採用しており、DAPやヘッドホンアンプで鳴らせる(かなり能率は悪いが)。AKGらしい華やかで明るい音でありながら、静電型らしい艶と伸びの良さも獲得した良い音。筆者は気軽に静電型っぽい音を楽しめるヘッドホンとして重宝している。高音が好きな人・静電型が気になる人はこのヘッドホンを手に入れてみると楽しいと思う。なおK340はbass heavy,bass light,その他…幾つかの種類があるらしい。本機はbass light。

☆k340の良いところ

・華やかで明るい音

・伸びやかな中高音

★k340の良くないところ

・低音の迫力を求める人には向いていないと思う

・かなり鳴らしづらい。

【装着感】

 幅広のヘッドバンド、緩い側圧で基本的に良好だがやや重く、また耳とヘッドホンが当たりやすい構造になっており長時間つけると痛くなる。
【その他】

 遮音性は耳を覆うため最低限ある。音漏れは半開放型と考えると少なめ。デザインは素晴らしい。豪華で威厳がある感じ。携帯性は無い。大きい。

 廃盤。後継機にはk145、k145/s、K4などがあるがそれらも全て廃盤。ベースモデルのK240は現在でも販売されている。

k240:https://amzn.to/3xctTGF

AKGが一番元気だったころの作品です

 

AUDIO-TECHNICA ath-sx1aのレビュー


【スペック】

メーカー:audio-technica

発売年:2008年

再生周波数帯域:10Hz~ 32000oHz

参考価格:15618円
形状:密閉型

特記事項:スタジオモニターヘッドホン、潜水艦で使用

【評価】

音質:75点 装着感:3.5 遮音性:4 音漏れ:4.5 デザイン:4.5 携帯性:3

オススメ度:3.5

【総評】
 音の傾向は弱カマボコ。低音は中々深い所まで出ているのだが、量感がどうしても物足りない。またその割に締まりに欠けぼやけた質感。中音は明瞭でハッキリと聞こえる。滑らかで温かみがあり、色気を感じる。高音の量は過不足無いが、イマイチ伸びない。また非常に丸く穏やかな音。解像度は値段を考えると中々高い。2万円前後のヘッドホンの水準。音場は密閉型と考えると広め。横に広い。音色はややウォームで明るい。切れ・スピード感はあまり良くない。アタック感が無さすぎる。音圧は非常に弱い。聞き疲れは少なめ。

 明瞭な弱カマボコという中々珍しい音作りのモニターヘッドホン。ath-sx1aで聞くボーカル、特に女声ボーカルは絶品だが、正直大抵のジャンルでは迫力が無く退屈に聞こえてしまう。が、裏を返せば聞き疲れが少なくBGM的な用途では最適な機種ともいえる。なんにせよ中々現代では珍しい音作りのヘッドホン。見かけたら一度試してみて欲しい。

☆ath-sx1aの良いところ

・聞き疲れの少ない音

・高い解像度

・使い勝手が良い(後述)

★ath-sx1aの良くないところ

・迫力に欠ける

・低音の不足

【装着感】

 あまり良くない。イヤーパッドが浅い上側圧が強く耳が痛くなりやすい。ヘッドバンドの長さをネジで簡単に固定できる。中々見ない機構だが、便利。

 【その他】

 遮音性は中々高い。音漏れは密閉型ヘッドホンの中でも少ない方だが、一応ある。デザインは良い。金字が上品。また全体的に作りが良い。携帯性は普通。折りたためないのがネック。

ath-sx1a:https://amzn.to/49KoJjd

レトロヘッドホンの音が好きな人はきっと気に入ると思います。

 

 

YAMAHA HP-50Sのレビュー


【スペック】

メーカー:YAMAHA

発売年:不明(1970~?)

再生周波数帯域:20Hz~ 20000Hz

参考価格:不明
形状:半開放型

特記事項:オルソダイナミック、エレクトーン用、レトロヘッドホン

【評価】

音質:72点 装着感:2 遮音性:1.5 音漏れ:3.5 デザイン:4 携帯性:4

オススメ度:4

【総評】
 音の傾向は中低音寄り。低音はずっしりとした質感で重低音までしっかり出る。また、そのわりに余りぼやけない。中音はやや湿っぽく、薄く曇った質感。しかし低音としっかり分離して鳴り、こもらない。高音ははっきりと聞こえるがあまり伸びない。かといって露骨にロールオフされる感覚も無く、音源のありのままの音を聞いている感じ。解像度はそれなり。現代のヘッドホンだと5000~10,000円くらいの価格帯で良く聞くレベル。音場は狭い。頭内で鳴る感じ。音色はウォームで暗め。切れ・スピード感はそれなり。全体的にゆったり・しっとりとした音。音圧は弱い。聞き疲れは少なめ。

 YAMAHAのオルソダイナミックシリーズ、その末弟hp-3のマイナーチェンジ。エレクトーンのために作られた。モノラル版のhp-50a、ステレオ版のhp-50sがあるが、今回はステレオ版をレビュー。音はhp-2からやや解像度を落とした感じ。無難に優しく上品な音を鳴らしてくれる。とにかく鳴らしづらいのが難点。正直エレクトーンがこのヘッドホンを鳴らせる程度の駆動力を有していることに驚いた。DAP直で鳴らすのは中々難しいので、ある程度駆動力のある据置アンプを所有している人にオススメ。

☆HP-50Sの良いところ

・低音から高音までしっかり鳴る

・滑らかで暖かい音

★HP-50Sの良くないところ

・鮮烈さが少ない

・かなり鳴らしづらい

【装着感】

 悪い。側圧がとにかく強い。
【その他】

 遮音性は悪いが側圧が強い分hp-1とhp-2よりは多少マシ。音漏れは半開放型と考えるとマシ。デザインは上位機種と比べると質素だがしっかり作られており合理的な作り。携帯性は中々良い。折りたためないがコンパクト。

見た目の割に中々hi-fiな音です

  

YAMAHA hp-2のレビュー


【スペック】

メーカー:YAMAHA

発売年:1975年

再生周波数帯域:20Hz~ 20000Hz

参考価格:7000円
形状:半開放型

特記事項:オルソダイナミック

【評価】

音質:79点 装着感:4.5 遮音性:1 音漏れ:3 デザイン:5 携帯性:4

オススメ度:4.5

【総評】
 音の傾向は非常にフラット。低音は角が丸く柔らかな質。量は普通だが、かなり沈み込む。中音は滑らかだが僅かに霞んでいる。量は低音とほぼ同量。高音は伸びが良いわりに刺さらない。それ以外に特に癖がない。解像度は値段なり。音場感はオンイヤーと考えるとかなり良い。やや前方定位。音色はウォームで暗め。切れ・スピード感はそれなり。悪くはないが特にキレが良いわけでもない。音圧は普通の。聞き疲れは少なめ。

 非常に癖の少ない良機。人によっては上位機種のhp-1よりも好きな人もいると思う。というか筆者はhp-2の方が好き。音源やジャンルを選ばず上品で綺麗に鳴らしてくれる。特にボーカルを聴く人にオススメ。音が現代的すぎるのでレトロ入門にはあまりオススメできないが、50年以上前にこの音質のヘッドホンがあったことは素直に凄いことだと思う。YAMAHAの技術力の高さが伺える。

☆hp-2の良いところ

・癖の少ないハイファイな音

・上品な音

★hp-2の良くないところ

・鳴らしづらい

・派手な音を好む人には向かない

【装着感】

 良好。hp-1より軽い。側圧は適度で頭頂部は布が張られており痛くなりにくい。
【その他】

 遮音性は無い。音漏れは半開放型と考えるとやや少なめ。デザインは良い。これもまたhp-1同様マリオベリーニ氏がデザインしたらしい。携帯性は普通~やや良い。hp-1より軽い。

 廃盤。現行のオルソダイナミック型のフラッグシップはyh-5000se。

YAMAHA HP-1のレビュー


【スペック】

メーカー:YAMAHA

発売年:1975年

再生周波数帯域:20Hz~ 20000Hz

参考価格:11000円
形状:半開放型

特記事項:オルソダイナミック、フラッグシップ

【評価】

音質:79点 装着感:3.5 遮音性:1 音漏れ:3 デザイン:5 携帯性:3.5

オススメ度:4

【総評】
 音の傾向はフラット~厳密に言えば低音寄り。低音は柔らかいが引き締まっていて量が多い。また重く密度のある質。中音はやや曇った質だが、非常に滑らか。量は並だが前面に出てくる感じで低音と被らない。高音は量はそれなりに出るが角が丸い感じ。解像度は値段なり。1万円付近のヘッドホンと考えると今でも通用する性能だと思う。音場は狭め。音が中央に寄る感じ。音色はややウォーム。切れ・スピード感は中々。低音の質が良い。音圧は普通。聞き疲れは少ない。

 昔、YAMAHAはオルソダイナミックという平面駆動ドライバーのヘッドホンを幾つか作っていた。hp-1はそのシリーズのフラッグシップに当たるもので、質の良い低音が特徴的。ノリの良さが求められるような曲には合わないが、ゆったりと音楽に浸るためにはなかなか良い機種。レトロっぽさと音の良さを両立しており、レトロ入門にもオススメ。

☆hp-1の良いところ

・濃くて柔らかな音

★hp-1の良くないところ

・重い

・やや曇った音

【装着感】

 それなり。ドライバーが金属の塊で出来ており、重い。
【その他】

 遮音性はほぼ無い。音漏れは半開放型にしては少なめ。デザインは良い。マリオベリーニというイタリアの建築家がデザインしたらしい。携帯性は普通。小型だが重い。

 廃盤。現行のオルソダイナミックのフラッグシップはyh-5000se。ほかにもモニターヘッドホンとしてhph-mt8などが出ているがこちらは普通のダイナミックドライバー。

hp-1の公式サイト:https://jp.yamaha.com/files/ocp/ja_jp/products/audio-visual/special/hifi-history/other/hp-1.pdf

hph-mt8:https://amzn.to/3VrD9Rt

ハイソなヘッドホンです

 

SONY MDR-SA1000のレビュー

【スペック】

メーカー:SONY

発売年:2004年

再生周波数帯域:8Hz~80000 Hz

参考価格:25200円
形状:完全開放型

特記事項:スーパーオーディオシリーズのエントリーモデル

【評価】

音質:77点 装着感:4.5 遮音性:1 音漏れ:1 デザイン:4 携帯性:1

オススメ度:2.5

【総評】
 音の傾向は高音寄り。低音は引き締まっていて質が良い。量感は少なめ。中音は非常にクリアでドライ。ここまでクリアなヘッドホンはAKGのK501くらい。高音は量が多く、金属を引き裂くような質感で容赦なく刺さる。解像度は値段なりだが、並外れたクリアさと音のバランスによりやや高く聞こえる。音場は非常に広い。開放型であることを考えても特に広い。横、縦、奥行があり立体的。音色は寒色。切れ・スピードは最高。音の豊かさ・聞き心地の良さ・滑らかさなど様々な要素を犠牲にしたスピード特化な音が楽しめる。音圧は強め。聞き疲れはかなりしやすい。

 ピーキーな機種。この上なくクリアでレスポンスが良く、一部の女声ボーカルやスラッシュメタルのために生まれてきたのかとすら思える。その反面、ザラついたスカスカさを感じる音でもあり、大半のボーカル、管楽器に合わない。弦楽器は中々良いがこれを買うならK501を買った方が素直に楽しめると思う。とにかく高音が大好きで、メタルをよく聞く人にとってはコストパフォーマンスが最高の機種だろう。それ以外の人にはあまりオススメしない。

☆mdr-sa1000の良いところ

・非常にクリア

・スピード感のある音

★mdr-sa1000の良くないところ

・ザラザラでスカスカ

・聞き疲れが激しい

【装着感】

 軽くて蒸れず良いが、やや側圧が強い。
【その他】

 音漏れは激しいし、外の音はそのまま聞こえる。デザインは近未来的でカッコイイがビルドクオリティが不安。携帯には全く向かない。折れる。

 廃盤。現行の開放型はmdr-mv1。

mdr-mv1:https://amzn.to/3IGOwxd

どことなくhd800っぽいです

 

HZsound Heart mirrorのレビュー


【スペック】

メーカー:Hzsound

発売年:2020年

再生周波数帯域:不明

参考価格:6500円
形状:カナル型

特記事項:金属筐体、カーボンナノチューブドライバー

【評価】

音質:67点 装着感:5 遮音性:2 音漏れ:3 デザイン:5 携帯性:5

オススメ度:5

【総評】
 音の傾向はフラット。低音は柔らかく深く沈むが、少し弾むような感覚もある楽しい音。中音はずば抜けたクリアさと透明感が印象的。一方、情報量が少なく淡泊な感じもする。高音はある程度綺麗に伸びるが、超高音までは出ずにロールオフされていく。解像度は値段を考えるとやや高い。10,000円前後でも通用すると思う。音場は狭め。頭内に音が収まる感覚。音色は寒色系。切れ・スピード感はそれなり。低音のキレは中々良いが、全体的に音が柔らかくてマッタリした雰囲気になりがち。音圧は普通、聞き疲れは少ない。

 文句無しにオススメできるイヤホン。heart mirror低音からの一番の魅力はわかりやすさ。低音から高音まで余すことなく再生され、篭りもスカスカ感も全くない。ただただ綺麗な音を楽しめる。もちろん基本性能はそんなに高くない(値段を考えると良いが)し、突き抜ける個性を求める人には物足りないかもしれないが、個人的には「何も難しいことを考えずにただ良い音を楽しむための道具」としてとても気に入っている。

☆heart mirrorの良いところ

・隙の無い音作り

・美しい筐体

★heart mirrorの良くないところ

・突き抜けた個性が無い

・遮音性が悪い

【装着感】

 極めて良好。耳に滑らかにフィットして、全く痛くならない。
【その他】

 遮音性は悪い。音楽を流していても外音が聞こえる。音漏れも多め。デザインは素晴らしい。一万円以下で鏡面仕上げの金属筐体は、中華以外では中々見られない。携帯性は良い。

 廃盤。後継機はheart mirror proとheart mirror zero。

・heart mirror pro:https://amzn.to/3vgAy1N

・heart mirror zero:https://amzn.to/3v8O4oe

シンプルにいい音と思えるいいイヤホンです