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beyerdynamic T1 2ndのレビュー

【スペック】

メーカー:beyerdynamic

発売年:2015年

再生周波数帯域:5Hz~ 50000Hz

参考価格:118,015円
形状:半開放型

特記事項:テスラドライバー、フラッグシップ、made in german

【評価】

音質:94点 装着感:4.5 遮音性:2 音漏れ:2 デザイン:5 携帯性:3

オススメ度:5

【総評】
 音の傾向は非常にフラット。低音は密度が高く、深く重い音が凄まじい精度とキレで鳴る素晴らしいもの。中音はクリアだが透明感は無い。むしろややスモーキーな感じで、艶と色気を感じる音。だが、過剰な色付けではなく楽しく自然に聞ける程度。高音は鋭く真っ直ぐ一直線に伸びる痛快な質。線が太く刺さりは無い。解像度は非常に高い。価格を考えても高い方だと思う。音場はとても広い。縦横の広さは勿論、奥行きがかなりある。音色はウォーム。切れ・スピード感は素晴らしい。音圧は強め。聞き疲れのしやすさは普通。

 Beyerdynamicのかつてのフラッグシップ。圧倒的な音の重みと基本性能の高さで一聴して凄みが分かる良いヘッドホン。音場感が独特で、やや前面に様々な音が定位し、強烈な実在感と迫力を伴って降り注ぐ感覚。…唐突だが、「ハイエンド」とはなんなのだろう?個人によって様々な解釈があるが、私は以前どこかのブログで見かけた”ハイエンドとは理想の追求と実現”という意見を採用したい。勿論それはヘッドホン単体で叶うものでは無いとは思うが、それでもこのT1 2ndはある程度の(16Ω/1000mw以上?)の駆動力を有する上流に繋げると上記のように並大抵のヘッドホンでは実現しない、一層現実的ですらないある種の幻想・理想のような音のように感じる。弱点も当然あり、透明感の少ない色付けの強い音・高いとは言っても2024年現在のトップクラスのヘッドホンには届かない基本性能などはハイエンドと考えると残念かもしれない。しかし、値段を考えると現在でも通用するかなり優秀なヘッドホンといえよう。重厚な音が好きな人、beyerの本気を見たい人、比較的安価に「凄い音」を体験したい人にオススメ。

☆T1 2ndの良いところ

・凄みのある音

・実在感のある音

・広く立体的な音場感

★T1 2ndの良くないところ

・透明感のない音

・駆動力の低い機器と繋げるとぼやける

【装着感】

 beyerらしくかなり良いが、重い。
【その他】

 遮音性・音漏れの多さともに半開放型として普通。デザインは良い。緻密に編み込まれた金属メッシュがカッコイイ。携帯性は普通。携帯しても外で使うのには様々な意味で向いていないと思う。

 廃盤。現行のテスラドライバ搭載機種はdt1990proなど。

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魂を揺さぶる音です