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AKG K872のレビュー


【スペック】

メーカー:AKG

発売年:2016年

再生周波数帯域:5Hz~ 54000Hz

参考価格:137,687円
形状:密閉型

特記事項:1.5テスラドライバー

【評価】

音質:96点 装着感:4 遮音性:5 音漏れ:4 デザイン:5 携帯性:1

オススメ度:4

【総評】
 音の傾向はかなりフラット。低音は引き締まった硬質な音でぼやけない。弾むような感触も深い沈み込みも無く、そのままの音が聞こえるような感覚。中音は一聴して僅かに曇って聞こえるが、よく聞くと非常に情報量が多く密度が高い音であることが分かる。高音は精密。突き抜けるような開放感、煌びやかに光るような音では無いが、硬質でハッキリした輪郭を伴う。そのため、曲によってはキツさを感じることもある。解像度は価格を考えても素晴らしい。20万円以下でk872を超える解像度を持つヘッドホンを見たことがない。音場感は独特。空間の壁を感じる箱庭的な音場なのだが、それ故に音が抜けて逃げていくことが無く、曲の隅から隅まで音を拾う事が出来る。また、空間が広く窮屈さが少ない。音が抜けて逃げていくことが無い為、隅々まで音を拾える。音色はニュートラル。切れ・スピード感は素晴らしい。キレキレの音。音圧は高め。聞き疲れはしやすい。

 AKGの密閉型フラッグシップ。AKGといえばフワリとした華やかな音の機種が多い印象だったが、k872は違う。遊びの少ないモニターヘッドホンというか、録音された音の情報を余すことなく引き出す優秀な道具といった感じ。欠点としてはあからさまに密閉型特有の音の突っ張り感が残っていることか。広々とした抜けの良い音を求める人は他の機種を探したほうが良いだろう。また、k872の性格上常に緊張感のあるシビアなリスニングとなる。リラックスしてゆったりと音楽に浸りたい人にもオススメできない。しかし、基本性能は同価格でもずば抜けて高く、使い方によってはライバルのhd800、t1 2ndを超えるポテンシャルを発揮してくれる。公平で優秀なリファレンスヘッドホンが欲しい人にはかなりオススメ。

☆k872の良いところ

・高い基本性能

・立体的な音場

・色付けが少ない

・細部の音を拾いやすい

★k872の良くないところ

・リラックスして聞くのには向いていない

・聞く曲によっては粗が見えてしまう(見えやすい音作り)

・密閉感の強い音

【装着感】

  基本的には良好。イヤーパッドが深く、耳が痛くならない。側圧がやや緩い上に重く、ズレやすいのが難点。
【その他】

 音漏れは少しある。遮音性は素晴らしい。イヤーパッドの密着度が極めて高く、外部の音が入りにくい。デザインは派手では無いが、確かな高級感と作りの良さを感じることが出来て良い。携帯性は無い。

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