【スペック】
メーカー:FOSTEX
発売年:2016年
再生周波数帯域:5Hz~45000Hz
参考価格:275000円
形状:密閉型
特記事項:ウッドハウジング、漆塗り、テスラドライバー
【評価】
音質:95点 装着感:4.5 遮音性:2 音漏れ:2.5 デザイン:5 携帯性:3
オススメ度:3
【総評】
音の傾向はドンシャリ。低音は最低音をグッと持ち上げるような重みのある質。立ち上がりも収束も良いが、量感が多いためややブーミーに聞こえるのが惜しい。同時にそれがこのヘッドホンの魅力に一つだとも感じる。中音は低音の量感の割に驚くほどの透明感があり、綺麗だが明るく上擦ったような色付けを感じる。高音は真っ直ぐ突き抜けるような爽快感がある。解像度はかなり高いが、27万円という値札に見合ったものではない。管弦の表現は中々良い。弦楽器は濃く太く描くタイプの音で、原音忠実ではないが音楽の聴きどころをヘッドホンから提示されているような感覚で楽。管楽器はとにかく派手。聞いていて楽しいが、演出が過剰と感じることもある。音場は横に非常に広く、一聴して密閉型と思えないほど。奥行きや上への広さは悪くはないが、横の広さのために相対的に物足りない。音色は寒色系。キレ・スピード感は中々良い。低域がもう少しタイトだったら更に良かっただろう。聞き疲れはしやすい。
FOSTEXの密閉型フラッグシップヘッドホン。初代th900との違いはリケーブルできるかどうかというだけで、実際初代をFOSTEXに送ると5万円でMK2にアップグレードしてくれるようだ。音は「THE昔の日本のハイエンドヘッドホン」という印象。派手で演出的で楽しい。しかし、値上げされすぎて現在では27万円というとんでもない値段になってしまっている。そうなるとdca e3、hifiman he1000seなどの強力なヘッドホンたちが視野に入ってくるしそれらと戦うのは流石に厳しいように思う。値段を考えなければ音も見た目も魅力的なヘッドホンであることは間違いないので、是非一度試聴してみることを勧める。また、セールだとかなり安く手に入る(16~22万円ほど)のでそれらを狙ってみるのも良いと思う。
☆ TH900 mk2の良いところ
・質の良いエネルギッシュな低域
・明るく楽しい演出的な音
・分かりやすい音
★ TH900 mk2の良くないところ
・現在の値段に見合った音ではない
・原音忠実から遠く離れている
【装着感】
良好。イヤーパッドが深く、耳が全く痛くならない。少しだけ重いのが玉に瑕だが、10万円以上の高級ヘッドホンとしては標準の範囲だろう。
【その他】
遮音性は低く、音漏れもかなりある。デザインは良い。和風で豪奢。携帯性は普通。
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