seven_headphoneのブログ

ヘッドホンはお好きですか

sennheiser ie100proのレビュー

【スペック】
メーカー:sennheiser
発売年:2021年
再生周波数帯域:20Hz~18000Hz
参考価格:9700円
形状:カナル型
特記事項:ステージモニター
【評価】
音質:70点 装着感:5 遮音性:3 音漏れ:3 デザイン:3.5 携帯性:5
オススメ度:5
【総評】
 音の傾向はかなりフラットだが厳密に見ればやや高音寄りか。低音は深く重く沈みこむタイプだが、タイトでもぼやけた質でもなく自然。プラスチックハウジングのデッドな響きが気になる人はいるかもしれない。中音は前に出てくるタイプで不思議と艶やかさがある。高音はピアノの高域~女声ボーカルといった中高音はのびやかで自然な質感で美しいのだが、超高音域がやたらと強くチキチキジリジリと刺さるような感覚がある。解像度はかなり高い。ここに関しては一万円付近では敵なしだと思う。管弦の表現は中々良い。弦楽器はツルっとした質感になりがちだが聞きごたえがある。管楽器は伸びやかで爽快感がある感じだが、響きが少なくそこに少し物足りなさを感じる。音場はかなり広く明瞭で定位がしっかりしており、曲を俯瞰して見れるような感覚がある。音色はやや暖色系。キレ・スピード感はかなり良い。レスポンスの良い音といった感じ。聞き疲れのしやすさは音源によって割と変わるが、総合的にみてやや聞き疲れしやすい方か。

 ゼンハイザーのエントリーモデルのモニターイヤホン。モニターシリーズの上位機種達と違って比較的癖が少なく、バランスの良い音。超高音域が刺さることは玉に瑕だが、基本的に万人に勧められる優れたリファレンスイヤホン。1万円付近で良い音のイヤホンが欲しいという人には間違いのない選択肢だろう。

☆ie100proの良いところ

・バランスの良い音

・優れた解像度

・広い音場

・優秀なリケーブル端子

★ie100proの良くないところ

・モニターイヤホンにしては遮音性が低く、音漏れが多い

・超高音域が刺さる

・プラスチックハウジングのデッドな響き
【装着感】

 良い。小型で耳にすっぽりと収まる。
【その他】
 遮音性は普通。この形状のイヤホンと考えると悪い方か。音漏れはそれなりにある。デザインはモニターらしく飾り気がない感じ。一万円付近の高級イヤホンと考えるとやや味気ないか。携帯性は良い。本体が小さい上に付属のケーブルの取り回しが良い。

ie100pro:https://amzn.to/3ECZCo1

流石ゼンハイザー、と思えるような出来です

 

sony mdr-cd280のレビュー

【スペック】

メーカー:sony

発売年:2000年

再生周波数帯域:12Hz~ 22000Hz

参考価格:3300円
形状:半開放型

特記事項:なし


【評価】

音質:63点 装着感:3.5 遮音性:2 音漏れ:2 デザイン:3.5 携帯性:2

オススメ度:3.5

【総評】
 音の傾向は高音寄り。低音はイマイチ。量感が少なく、スカスカして聞こえる。ただ、その分締まりはあるので中高音の邪魔にはならない。中音はやや擦れたような質感。高音が量が多いが、非常に軽い質感で刺さりすら感じない。伸びは中々良い。音の明瞭さは中々。低音が少ない分見通しが良い。管弦の上手さはそれなり。管楽器ではどうしても力強さが物足りないし、弦楽器の繊細な表現は線の細さで再現出来ているように見えるが、基本性能のの低さにより大味になりがち。解像度は値段なりだが、こもり感が無く不足を感じにくい音作り。音場は狭め。脳内に押し込められる感覚。音色はややドライかつ寒色系。切れ・スピード感はそれなり。キレは良いが力感が無く疾走感が無い。音圧は弱め。聞き疲れは少ない方。

 sonyのエントリーモデルの有線ヘッドホン。SONYらしいドンシャリ…といいたい所だが、その「ドン」が無い。低音を求める人にはオススメできないが、弦楽器やヴォーカルものをスッキリと聞きたい人には悪くない選択肢だと思う。

☆mdr-cd280の良いところ

・明瞭な音

・軽い

・聞き疲れが少ない

ソニーらしい音色

★mdr-cd280の良くないところ

・低音がイマイチ

・音に力感が無い

・スカスカ

【装着感】

 軽いうえにフワリとしたイヤーパッドで悪くは無いが、側圧が強め。

【その他】

 遮音性はあまり無い。音漏れもしっかりある。デザインは上位機種と共通。携帯性は悪い。折れるだろう。

 廃番。現状ソニーの開放型はmdr-mv1くらいか。

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マイクみたいな見た目です

 

 

dita navigatorのレビュー

【スペック】
メーカー:dita
発売年:2023年
参考価格:49800円
形状:ドングル型
特記事項:+ドライバー搭載、スマホスタンド機能、Es9219デュアル搭載
【評価】
音質:86点 デザイン:4 携帯性:2
オススメ度:3.5
【総評】
 音の傾向はかなりフラット。低音はかなり締まっているが、硬い音ではなく粘りと弾力を感じるしなやかな音。中音はかなり滑らかで明るい音。高音は粗さが無く良く伸びる。煌めいたりシャリシャリしたりすることはなく丁寧な音。解像度はかなり高い。同価格帯のDAPは超えている。管弦の表現は中々良い。派手さは無いが、丁寧な描写でしっとりした音。音場感はかなり良い。広く奥行きがあり、空気感を出すのが上手い。過度な演出はなく、あくまで自然の範疇。音色はややウォーム。キレ・スピード感は普通。解像感を強調するタイプの音ではないので下流の特徴が割とそのまま現れる感じ。聞き疲れはかなり少ない。バッテリー消費は結構ある。繋げた機器の充電がどんどん減る。

 シンガポールオーディオメーカー、DITAが出したドングル型DACアンプ。余裕のある駆動力、隙のなく丁寧な音、高い基本性能…と、音質に関しては価格を考えると言うことがない。しかし幾つか製品に対して疑問があり、それは使用用途不明のドライバーと中途半端な完成度のスマホスタンド機能だ。この2つはおそらくDITAの遊び心なのだろうが、この機能を付けるくらいならもう少し小さく軽くしてほしいというのが正直なところ。後は、navigatorに限ったことではないが、本体に液晶画面が無く対応アプリも無いため音量チェックを一々自分の耳で聞いてやる必要がある。私のような鳴らしやすさがかなり違うイヤホンをとっかえひっかえして遊ぶユーザーにとっては不便だ。

 音は良いが機能が色々と荒削りな印象を受ける機種で、それ故にオススメ度は3.5となった。後継機に期待したい。
☆navigatorの良いところ

・隙が無く丁寧な音作り

・高い基本性能

・駆動力がそこそこある
★navigatorの良くないところ

・音量が分からない

・ドライバーとスマホスタンド機能は無くてもよいと思う
【その他】
デザインは黒い金属筐体で高級感と質の良さを感じるもの。携帯性はドングルと考えるとあまり良くない。大きくて重い。

音はとても良いです

 

pioneer se-25のレビュー

【スペック】
メーカー:pioneer
発売年:1971年
再生周波数帯域:20Hz~20000Hz
参考価格:3500円
形状:オーバーイヤー型
特記事項:70㎜コーンドライバー
【評価】
音質:64点 装着感:3 遮音性:3.5 音漏れ:4 デザイン:4 携帯性:2
オススメ度:4
【総評】
 音の傾向はカマボコ。低音は一応重低音まで出ている感じはするのだが、かなり量感が少なく、また緩い。緩さのおかげかスカスカした質ではない。中音は僅かにリバーブがかっているが、かなり透明感が高く艶めかしい音で心地良い。高音は柔らかくくぐもっており、かつ一定の帯域でビビりのような響きがある典型的なレトロの音。解像度は中々良い。値段なりの性能はある。管弦の表現はイマイチ。弦楽器は線が太くぼやぼやしすぎて大味に聞こえるし、管楽器は力強さと伸びが足りない。音場はかなり狭く、音が近い。音色はウォーム。キレ・スピード感は悪い。音の緩さと暗さでゆったりとした音に聞こえる。聞き疲れはあまりしない。

 pioneerのエントリーモデルのヘッドホン。時代を感じさせるかなりカマボコ寄りな音だが、明瞭で適度に密度がある音で楽しい。リサイクルショップなどで安く拾えるならアリ。
☆ se-25の良いところ

・高級感のあるデザイン

・心地良い中音域

 se-25の良くないところ

・くぐもった高音域

・締りに欠ける低音
【装着感】

 側圧は緩くもきつくもなくちょうど良い。やや重量がある。
【その他】
 遮音性はイヤーパッドに厚みと柔軟性があるため他のシリーズよりちょっと上。音漏れは少しある。デザインはエントリーモデルの割にかなり高級感がある方だと思う。携帯性は悪い。大きい。

【雑記】ヘッドホンの上流を更新したい(前編)

そろそろ新しいヘッドホンアンプが欲しいと思っています。現在使ってるヘッドホンアンプ・dac amp は

①little dot mk2

②swd-ua1

③micro idsd初代

④h7

の4つです。

①little dot mk2は全段真空管で構成された小型のヘッドホンアンプで、高い駆動力と綺麗な見た目(真空管がオレンジ色に光る)が魅力ですが…

・繋がるヘッドホンによってはノイズが乗る

・パワーありすぎて大味っぽくなることがある

などの欠点があります。

②swd-ua1は城下工業の作ったオールインワンなdacアンプで、スピーカーもヘッドホンも鳴らす汎用性の高さと高精細な音が魅力ですが…

・出力がやや弱い

・拡張性が無い

などの欠点があります。

③micro idsdはアンバランス出力のポタアンとしては2025年現在なお最強クラスの出力(16Ω/4000mw)と、dac出力やモバイルバッテリー機能、重低音増強機能などを持ち多芸であることが魅力ですが…

・高域がキツい

・ifiの味付けがかなり濃い

などの欠点があります。

④h7は旭化成の最新DACチップによる情報量の多さ、Bluetoothレシーバー機能、擬似DAP機能、6.3mm,4.4mm,3.5mm端子搭載などのmicro idsdとはまた違った多芸さが魅力的ですが…

・他の機器とは違い、給電しながらの使用が難しい

・ヘッドホンアンプの出力はそこそこ(t60rpやsusvara程度なら音量を取ることは出来るが、しっかり駆動できてるなあという感じではない)  

などの欠点があります。

 

私はこれらの一長一短な機種達を使って毎日オーディオをしていますが、そろそろ上流…もっと具体的に書くとヘッドホンアンプが欲しいなあと思いました。求める必須の条件としては

・新品、中古含め30万円以下

・高い駆動力

・電源が必要な据置機

・ノイズの少ないもの

・味付けが比較的少なく、汎用性の高いもの

・6.3mmアンバランス端子、xlrバランス端子を搭載

努力目標としては

・デスクトップに置けるような小型機

・単体ヘッドホンアンプ

・3.5mm端子と4.4mm端子を搭載

などがあります。これらを満たしてくれる機種を幾つか見繕ったので、次回の「後編」に書いていきます。

hiby r6Ⅲのレビュー

【スペック】

メーカー:hiby

発売年:2023年

参考価格:75900円
形状:デジタルオーディオプレーヤー(DAP)

特記事項:最大15時間連続再生、A級アンプ回路搭載、ESS DAC

バイスの性能:Android12、RAM4GB、64GBストレージ、snapdragon665

オススメ度:5

☆各観点の評価

・スタミナ…バッテリー持ちは中々良い。アンバランスで15時間、バランス接続で12時間というのはそこそこの性能のCPUと4GBのRAMを積んだAndroid搭載DAPとしては珍しいだろう。

・音質…基本的にかなりフラットで、音場感や解像度といった基本性能も10万円以下という価格を考えると申し分ない。特別にどこかに強みがあるというタイプではない。

・出力…下位機種であるr5gen2よりも少し弱く、低能率のヘッドホンは厳しい。しかしイヤホンならp2plusのような極めて鳴らしづらいイヤホンも鳴らせるし、小型のポータブルヘッドホン程度ならバランスを崩さずに鳴らすことはできる。

・端子…4.4のパワーアウト(イヤホンを挿す端子)と独立したラインアウト端子が付いており、拡張性は悪くない。

・A級アンプモード…r6ⅢはクラスA級アンプ回路を搭載しており、オンオフを自由に切り替えることが出来る。オンにすると音の厚みと解像度が増す.....気がする。大きな差は感じられないし、バッテリーの消費が激しくなるので普段はあまり使わない。

・動作…DAPと考えると驚くほどサクサク動く。

・価格…7.5万円と書くと高価に見えるかもしれないが、DAPとしてはかなり安価な方だ。また、値段に対して性能と音質のバランスが良く優秀な入門機と言えよう。ここからステップアップしようと思ったら一気に20万円~のミドルクラスに突入する必要があるため、特別な拘りが無ければこの辺りでとめておくのも一つの手だろう。

【総評】

 出力とバッテリー持ちは下位機種に譲るものの、それなりに高いデバイス性能とより癖や粗さの少ない高音質を獲得した万能機。これが気に入ったならr6Ⅲを使い続ければよいし、音質面、バッテリー持ちなどでより上を目指すにしろちょうど良いサブ機として活躍してくれるだろう。

 

r5gen2:https://amzn.to/3Q8pfzQ

r6Ⅲ:https://amzn.to/42J7fTS

手堅い選択肢です

 

IN2UIT C500のレビュー

【スペック】
メーカー:IN2UIT 
発売年:2015年
再生周波数帯域:18Hz~35000Hz
参考価格:18990円
形状:オンイヤー型
特記事項:静電ドライバーとダイナミックドライバーのハイブリッド
【評価】
音質:62点 装着感:2 遮音性:3 音漏れ:3.5 デザイン:1 携帯性:3
オススメ度:1.5
【総評】
 音の傾向は高音寄りの弱ドンシャリ。低音は重低音が控えめで中低音が出る。プラスチックハウジング由来なのか、ブヨブヨフワフワとした質であまり良くない。中音はやや濁り、カサつく。露骨にハウジングの色が乗っている感じ。高音は明るくキラキラした質で静電型ドライバーの良さを感じるが、伸びはイマイチ。やはりハウジングが悪さをしているように思う。解像度は値段を考えるとかなり低い。k240やaurvana live!のほうが良い。管弦の表現は微妙。解像度が低すぎて評価が難しいし、プラスチックの響きで音色が塗りつぶされるような感じがする。音場は横にはそこそこ広いが立体感や奥行きは皆無。音色は暖色系だろうか。キレ・スピード感は悪い。ボヤボヤ。聞き疲れのしやすさは普通。

 静電型ドライバーを搭載したハイブリッドというのがウリのヘッドホン。それ以上の意味は感じられないし、値段を考えると極めてコストパフォーマンスの悪い製品。なんというか全体的にプラスチックハウジングがひたすら音に悪影響を与えているような印象を受けた。セールでは2000円ほどで入手できるようだが、それくらいの値段が妥当だと思う。
☆C500の良いところ

・静電型ドライバー搭載製品としては最安価クラス
C500の良くないところ

・プラスチックハウジングの響きが乗りすぎる

・低い解像度
【装着感】

 悪い。側圧がそこそこ強い上にイヤーパッドが小さく、耳が窮屈。
【その他】
 遮音性は普通。音漏れは少しある。デザインは微妙。一万円越えにはとても見えない安っぽさ。携帯性は普通。

C500:https://amzn.to/42DXqH1

est搭載機としては最安クラスですね